感染性胃腸炎に注意してください。

公開日 2018年11月20日

群馬県がまとめている感染症発生動向調査によると、感染性胃腸炎の患者は、年間を通して報告されています。
特に例年、11月頃から患者数が増加し始め、その後に急増して12月頃にピークとなる傾向があります。

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冬期の感染性胃腸炎のうち、多くはノロウイルスによるものと報告されています。
ノロウイルスは感染力が強く、少量のウイルスでも感染が成立します。
人が集まる場所や家庭内で流行することが多く、食中毒の原因にもなります。
患者の便やおう吐物には大量のウイルスが存在し、ウイルスが口から入ることによって、感染がおこります。
主な症状は、吐き気、おう吐、下痢、腹痛で、症状は、1~2日で治癒することが多いですが、症状が無くなった後も、便には長期間ウイルスが排出されていることがあります。
また、下痢などによる脱水症状を引き起こしたり、おう吐物をのどに詰まらせたりして乳幼児や高齢者では症状が重篤化することがあるので注意が必要です。

ノロウイルス感染症については、高崎市のホームページ・感染症予防のページ「 ノロウイルスによる感染性胃腸炎にご注意ください 」をご覧ください。
また、群馬県のホームページ・「 ノロウイルス感染症について 」や「 ノロウイルスによる食中毒・感染性胃腸炎に注意しましょう。」でも解説しています。併せてご覧ください。

感染症の拡大を防ぐため、おう吐物の処理にも注意が必要です

感染を広げないために、おう吐物の処理手順を事前に確認し、消毒液を入れる容器や新聞紙、手袋などを用意しておくことをおすすめします。
ノロウィルスに対しては、アルコール系消毒薬は効果がありません。塩素系消毒剤である次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効です。
次亜塩素酸ナトリウムの消毒薬は、市販の塩素系漂白剤を希釈して(薄めて)作ります。
いざという時に塩素系消毒薬を作れるように、事前に手順を確認しておいてください。

【確認事項】
・次亜塩素酸ナトリウムは、家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤で代用できます。製品の表示で、成分が「次亜塩素酸ナトリウム」であることを確認してください

・次亜塩素酸ナトリウムの濃度は、製品により異なります。製品の表示で濃度を確認してください。また、使用の際は、製品の「使用上の注意」をよく確認し、十分に換気を行ってください 

・塩素系消毒薬は作り置きができません。時間の経過とともに、劣化してしまいます(おおむね1日)。その都度作って、使い切ってください

・作った塩素系消毒薬を保存する場合は、誤飲などの事故が起きないように、入れ物には「 消毒薬 」であることを表示するなど、管理とその保管方法について注意してください

おう吐物処理手順

おう吐物の中には大量のウイルスが含まれています。正しい方法ですみやかに処理することが大切です。

  1. おう吐物はすばやく新聞紙などで覆いましょう

  2. 使い捨てエプロン、手袋、マスクを着用しましょう

  3. バケツや空のペットボトルに、次の量の塩素系漂白剤(原液濃度が5%の場合)を入れ、水を加えると消毒薬を作ることができます。
    ※500mlのペットボトルのふたの容量は、約5mlです。計量カップなどがない場合は、これを用いて希釈できます
    【濃度0.1%の場合】キャップ2杯(約10ml)の塩素系漂白剤と、ペットボトル1杯分の水(500ml)で、50倍希釈となり、濃度がおよそ0.1%の消毒液ができます
    【濃度0.02%の場合】キャップ半分弱(約2ml)の塩素系漂白剤と、ペットボトル1杯分の水(500ml)で、250倍希釈となり、濃度がおよそ0.02%の消毒液ができます

  4. おう吐物は、塩素系消毒薬に浸したペーパータオルなどで外から中心に向かって拭き取りましょう

  5. ドアノブや手すりなどは、濃度0.02%の塩素系消毒薬でふき取り消毒をしてください

  6. 拭き取ったおう吐物などは、ビニール袋に入れて処分します。その際、ビニール袋の口を縛る時は、中の空気を抜かないようにしましょう

  7. 処理が終わったら石けんでしっかりと手洗いをしましょう

  8. その場にいた人や処理をした人は、48時間は体調の変化などに注意しましょう(健康観察を行う)

【チラシ】おう吐物の処理方法
嘔吐物の処理方法-1 おう吐物の処理方法-2
おう吐物処理[PDF:293KB]
 【 動画 】感染症予防~嘔吐物の処理方法 

嘔吐物処理方法キャプチャー

消毒薬の作り方・おう吐物処理の方法は、高崎市のホームページ(高崎市YouTube)・「 感染症予防~嘔吐物の処理方法 」で紹介しています。

そのほかの消毒

衣類などの消毒は以下の手順で行ってください。

  1. 下洗いでおう吐物を取り除きます

  2. 濃度が0.02%の塩素系消毒薬に30分〜60分程度浸すか、熱湯(90度で90秒以上)で消毒します

  3. ほかのものと分けて最後に洗濯します

  4. 下洗いした流しや使用したバケツなどにもノロウイルスで汚染されているので、作業が終わったら消毒しましょう

詳しくは、高崎市のホームページ・感染症予防のページ「 ノロウイルスによる感染性胃腸炎にご注意ください 」をご覧ください。

正しい手洗い方法

手洗いのイメージ

高崎市ホームページ・保健予防課のページで「 正しい手洗いの方法 」を紹介しています。
感染症予防の基本は、手洗いです。正しい手洗いの方法を身につけましょう。

予防のために

手洗い・うがいの励行

食事の前やトイレのあと、調理の前、おう吐物を処理したあとなどには、必ず石けんと流水で手を洗いましょう。
手を拭くためのタオルは共用せずに、個人専用にするか、使い捨てのペーパータオルを使いましょう。

食品の加熱

食品(特にカキなどの二枚貝)は、90度で90秒以上加熱しましょう。

調理器具等の衛生管理

調理器具、ふきんなどは、熱湯で消毒(90度で90秒以上)するか、濃度が0.02%の塩素系消毒薬で消毒しましょう。

症状があるときは

◆早めに医療機関を受診してください

◆水分と栄養を十分に補給しましょう

◆調理や配膳など食品を扱う仕事は避けましょう

◆入浴を控えシャワーのみにしましょう

最新の情報は、高崎市のホームページ・「 感染症予防 」のページや群馬県のホームページ「 感染症情報 」のページをご覧ください。


このページは、群馬県と高崎市の感染症情報に基づき作成しました。